東京から表銀座、燕岳登山口までどうやって移動するか?

コロナウイルスのワクチン接種が始まり、今年の夏はやっと安心して旅行ができそうです。

東京23区在住者が登山に行こうと思ったときに立ちはだかるのが、登山口までどうやって移動するのか問題です。東京23区に住んでいると自家用車を持つのはかなりハードルが高いです。月極駐車場の相場は、中央区で5万円/月、練馬区でも1.8万円/月ということで土地持ちか、どうしても必要か、富豪でないと手が出ません。

そのため、登山口までの交通手段は自然と公共交通手段が中心になります。夏のシーズンには、明け方の登山口に着く登山夜行バスが出ていて何度か利用したことがあります。ただし、普通の観光バスでリクライニングにも浅く、横幅も狭いため、快適とは言えません。特に去年の9月に乗ったバスは往復で一睡もできませんでした。

大抵1年間でその辛さを忘れて、再び夜行登山バスに乗り込むわけですが、今回は珍しく覚えていたので、登山口までの移動手段を考え直したいと思います。

目的地

目的地は、北アルプスの表銀座の出発地、燕岳にします。登山口は、中房温泉です。表銀座縦走路は、燕岳から槍ヶ岳を通って上高地に降りる人気の縦走コースです。

上高地を出発地にしてもいいんですが、そうするとハイライトである槍ヶ岳が前半に来てしまいます。個人的には、ハイライトは後にとっておきたいです。

条件

移動の快適性は、重要な条件です。移動した後に数時間、階段を登り続けると思えば万全の体制で移動したいものです。

睡眠中に移動できるかも選択を左右する条件です。睡眠中に移動できれば、その分時間を節約できますし、結果的に宿泊費も浮きます。

移動時間も短い方が良いです。

乗り換えも少ない方が良いです。基本的には。ただ、日中の短い時間の乗り換えだったら、旅してる感があっていいですね。

最後は費用。安いのに越したことはありません。

夜行高速バス

サービス 登山バス毎日あるぺん号 登山バス毎日あるぺん号(ダブルシート) アルピコ交通 さわやか信州号
グリーンカー
快適性 ×
4列シート
×
4列シート

3列シート
夜間
23:00~6:00

23:00~6:00

23:15~6:05

22:25~9:20
移動時間 7時間 7時間 7時間 10時間50分
乗り換え
穂高駅 約20分待ち
×
新島々駅から安曇野の里まで約20km
出発地 竹橋 竹橋 バスタ新宿 バスタ新宿
費用(登山口まで) 10,500円 〜 12,500円 8,700円
6,900円+1,800円
9,000円
費用(往復、宿泊込み) 48,000円
42,000円+6,000円

登山バス毎日あるぺん号(片道)

おなじみの毎日アルペン号です。お盆休みというかき入れ時に、バスを確保して、あちこちの登山口まで頻繁に送り届けてくれるありがたい会社です。

しかし、4列シートで夜を越すのは厳しいです。天気が悪かったりすると、空いていて、隣に誰も乗ってなかったりしますが、移動が快適でも登山は最悪です。

一番のドル箱路線だけ、お盆ど真ん中ではなく8月の金曜日だけ、値段があがってもいいので夏のシーズンになんとか3列シートを確保していただきたいです。4列の1.5倍までは出します。

毎日アルペン号にぜひまた乗りたい、と思っていれば、そもそもこんな比較をする必要がなかったのです。

決して悪くないのですが、できれば違う選択肢を選びたい。

登山バス毎日あるぺん号(往復、2泊付き、ダブルシート)

おなじみの毎日アルペン号。往復、宿泊付きプランです。

ダブルシートは自分の横の席を空けられるオプションで+6,000円かかります。運が良ければ隣に誰もいないこともありますが、連休、天気が良い場合は絶望的です。そう考えると、+6,000円で隣の席を空けるのはアリな気がします。

宿泊は大天荘とヒュッテ大槍。

中房温泉から大天荘までのコースタイムは7時間。6:00に始めれば、13:00に到着します。うん、ちょうどいい。

大天荘からヒュッテ大槍までは、6時間20分。ヒュッテ大槍から槍ヶ岳までは40分と、槍ヶ岳山荘よりちょっと離れています。

帰りは、上高地16:00発。なぜか帰りは3列シートです(行きを3列にして欲しかったが...)。

山荘の予約しなくても良いのも簡単ですし、全体的に悪くないです。マネーパワーで、行きの4列シートをダブルシートにすれば良いプランです。

アルピコ交通

新しい路線を発見して、興奮しましたが、結局4列シート。残念。

さわやか信州号

なんと待望の3列シートの夜間登山バスが登場。再び興奮しました。

行き先が上高地だけですが、途中で降りて始発のバス、電車に乗って中房温泉を目指すのもありなのでは、とGoogleマップやら、乗り換え案内やらを色々見たところ…。

長野に入ってから、最初のバス停が新島々駅。Googleマップで見ると、松本から上高地寄りに結構入ってます。着が4:21。電車の始発は5:44、穂高駅まで1時間17分。7:01に穂高駅に着いて8:25に中房温泉行きのバス、9:20に中房温泉着。

その他の選択肢

サービス 高速バス+前泊 電車+前泊 高速バス+始発 電車+始発 ライドシェア
快適性 ×
4列シート
×
4列シート
夜間 ×
7:35~11:31
×
11:30~14:38
×
6:35~12:05
×
7:00~12:05
移動時間 5時間 3時間 11時間30分 11時間 8時間
乗り換え
松本駅 約5分待ち
×
安曇野穂高 約40分待ち
×
安曇野穂高 約50分待ち
出発地 バスタ新宿 新宿駅 バスタ新宿 新宿駅
費用(登山口まで) 19,250円
4,300円+1,800円+13,000円+150円
22,010円
7,060円+1,800円+13,000円+150円
6,100円~
4,300円+1,800円
8,860円~
7,060円+1,800円

高速バス+前泊

日程的にはかなり余裕がありますが、移動が結局4列シートと考えると快適とは言えなさそうです。前泊分の宿泊費は、山荘泊を減らせば帳消しにできますが、表銀座縦走路を1泊で駆け抜けるのは日程的に厳しいですし、もったいない気がします。

トータルで考えると魅力的な選択肢とは言えません。

電車+前泊

移動が電車になった分快適ですが、予算も増え、以下同文といった感じです。

高速バス+始発

12:05分に有明温泉の登山口。燕山荘にまでのコースタイムが4時間。到着するのが、16:10頃です。夏の日没が18:30頃ですが、ちょっと時間が遅いですね。

始発で東京から北アルプス、山荘泊は厳しいかな。

電車+始発

バスよりも30分移動時間が短いですが、穂高駅でバス待ちがあるので、到着はバス始発と同じです。

ライドシェア

登山友達も見つかるかもしれませんし、悪くない選択肢な気がします。ライドシェアを募集しようという人は、コミュニケーション能力も高そうですしね。とはいえ、出発地、到着地、日程が合うライドシェアを見つけるのが結構大変そうです。

結論

毎日アルペン号からの卒業を目指して、色々調べて来ましたが、結論としては登山バス毎日あるぺん号(往復、2泊付き、ダブルシート)が良さそうです。