新宿~新穂高ロープウェイ~西穂高岳~西穂山荘~上高地

山荘予約に出遅れる

去年の白馬岳が天気も良く、満足感が高かったので、今年は出遅れました。7月の連休は1泊2日、お盆休みで表銀座経由の槍ヶ岳に行こうと思いましたが、どれも山荘の予約がいっぱい。7月の連休は諦め、お盆休みは薬師岳1泊2日と西穂高岳1泊2日がまだ空いてました。

1泊2日の薬師岳はピストン登山で同じところを通るしかなさそうなのと、富山から電車で帰るのが遠そうなのがネック。西穂高岳はジャンダルムに通じる稜線なので、怖そうでしたが、帰りに上高地に下りるのも楽しそうなので、西穂高岳への片道深夜バス、ロープウェイ、西穂山荘宿泊付き27,000円を予約しました。

仕事が忙しくて後回しにしたパッキングは終わらないまま出発日を迎えました。去年忘れた帽子を忘れないようにし、今回のために買ったヘルメットを忘れないように詰め込みました。

新宿から西穂高口駅

夜になっても蒸し暑いなか、都庁下のバスターミナルへ。結構、大きいバスが発着しており、西穂高行きもあのくらい大きいといいなと思いつつ眺めてました。

Day1 23:15 / 新宿駅

出発15分前に着いて、受付へ。23:00発予定ですが竹橋から都庁までで遅れているらしく、出発したのは、23:15頃。外から見ると大きいバスに見えましたが、中に入るといつもの4列シートの観光バス。観光する分にはいいんですが、一晩過ごすには十分に快適なものではないです。

台風6号が九州、7号が小笠原諸島にありつつも、かなり速度が遅く、北アルプスの天気予報は上々のため、バス内は9割ほどの埋まり具合。隣の人は竹橋から乗っていたらしく、すでに熟睡。私もネックピローと耳栓とアイマスクの3点セットを装着して、靴と靴下を脱いで万全の睡眠体制を取ります。

新穂高ロープウェイに到着したのは、6時前。隣に人がいるすると、寝つきが悪かったりしますが、この日は割と眠れました。

新穂高ロープウェイに到着。
登山口に漂う硫黄の臭いで燕岳登山口の中房温泉を思い出す。

Day2 5:55 / 新穂高温泉駅

新穂高ロープウェイの後はシラカバダイラに行くとバス内でアナウンスがありました。まいたびのウェブサイトには何も書いてなかった気がします。シラカバダイラに行く人は、ハイキングでも行くのかなと思いつつバスを降りました。ほとんどの人が新穂高で降りました。

バスを降りると渓流の音と温泉の臭いが鼻につきます。燕岳の登山口の中房温泉と似た雰囲気ですが、中房温泉よりずっと開けた場所でした。

ロープウェイの始発は8:00。バスから降りた人の多くはロープウエイ駅の周りで腰を下ろして、始発を2時間待つようです。3分の一ほどは前の道路を登ったり、下ったりと歩き始めました。張り紙に、しらかば平駅からは7時に始発が出ることが書いてありました。お盆期間中の特別運行のようです。どうやら毎日あるぺん号に乗ってれば、しらかば平まで連れていってくれたようです。一言言ってくれればいいのに、と思いつつ、体を伸ばし、おにぎりを1個食べました。

何かをじっと待つというのは嫌いで、グルメの行列にはほとんど並んだことがありません。後1時間半も待ってられないので、歩いてしらかば平まで行けないものかと、Googleマップでルート検索してみました。目の前の道路を一旦下ってから登ると歩いて行けるようです。

歩いてすぐのところに、奥飛騨温泉郷観光案内所があり、自家用車用の駐車場が広がっていました。岐阜県と書かれたジャンパを羽織った人が3、4人、自家用車から降りてくる登山客に何か配ってました。しらかば平へ歩いていく方法を聞くと目の前に、山道がありました。Googleマップはかなり下まで下るルートを提示しており、おそらく車道で案内しているのだと思います。山道には全然気づいてなかったので、声をかけてラッキーでした。アミノバイタルとウェットテッシュももらいました。ありがとう、岐阜県の人。

山道を歩いていると、この時間に結構降りてくる人がいました。ハイキングの割には重装備で、この時間に下るとすると、どこから来たんだろうと思いつつ、山道を登って行きます。到着した時に寒くて羽織ったレインウェアがもう暑い。途中2回ほど分かれ道があり、スマホを見て進行方向を確認しました。スマホはホント便利ですが、スマホ頼みで事前準備を怠ると危ないかもしれない。特にソロの場合は。

Day2 7:00 / しらかば平駅

20分ほど歩いて7時前にしらかば平駅に着きました。始発のロープウェイを待っている人で30,40人くらい並んでいたと思います。何の行列かわからないまま最後尾に付けました。まいたびのチケットはロープウェイもセットになっており、窓口でチケットを交換。始発かどうかは不明ですが、7時頃のロープウェイに乗れました。

Day2 7:16 / 西穂高口駅

20分ほどで西穂高口に到着。上からも歩いてくる人がいた時に初めてロープウェイが2階建てと分かりました。後日調べたところによると、定員105名ということなので、始発のロープウェイの乗れたのだと思います。

西穂高口駅の展望台からは左に焼岳、正面に笠ヶ岳が見えます。

西穂高口駅の展望台から焼岳

西穂高口から笠ヶ岳

森林限界と共にあらわれる西穂山荘

西穂高口駅の外にでるとウッドデッキがあります。靴ひもを結びなおして、出発した。ロープウェイ側のルートは開けてますが、周囲は森に囲まれてます。ここで、タオルを忘れたことに気付く。太陽が出ているときは、首筋にタオルをかけて直射日光を遮りますが、今は背の高い木々がそれをしてくれます。

遊歩道として整備されているのは、駅から数分のところですぐに登山道に変わります。雲1つない天気なので結構人がいます。

西穂山荘まで樹林帯の中を1時間30分ほど歩きます。ロープウェイのおかげで相当楽が出来ているはずなんですが、1年振りの登山でまあまあ疲れる。

行動食は「特濃塩ミルク飴 8.2」が気に入ってます。甘さが疲れた身体に染み渡り、汗で失った塩分も歩きながら補給できて便利です。小休止の行動食は、水分補給も兼ねたゼリー飲料、カロリーメイトチョコ味とブラックサンダーが定番です。ブラックサンダーは暑さで結構溶けてました。今年はラムネも持ってきました。

Day2 8:20 / 西穂山荘

急に視界が開けて、人工物が見えてきました。森林限界あたりに山荘が建っているのはあるあるです。西穂高口駅からだと西穂山荘の裏手に突き当ります。迂回して正面に回る途中、すぐ脇に東邦大学医学部の診療所の建物が建っています。

西穂山荘の前庭には、多くの登山者が一息ついてました。私も荷物を降ろして、朝買ったおにぎりの残りを食べました。トイレは山荘宿泊者は無料、その他100円/回でした。

別館はすでに空いており、テン場の受付が始まっていました。山荘の受付は13時だそうです。

当初の予定では、今日の行動はここまで。元気があれば、独標辺りまで行ってのんびりしようと思ってましたが、何しろまだ9時前。天気も最高ということで、今日のうちに山頂まで行くことにしました。

山荘の外壁には棚がついており、大きなザックがいくつか置いてあります。西穂山荘の先は危険で有名なジャンダルムに続くので、多くの人が山頂から折り返してきます。そのため、重たい荷物を置いて軽装で進みます。

私もこの為に折りたたみの10Lザックを買ってきました。飲み物が1Lほど。行動食をいくつかで多分2kg弱ほどしかなく、非常に軽いです。この先、森林限界で直射日光を浴びるので日焼け止めを塗ります。更にこの日の為のヘルメットを被って出発しました。

西穂山荘

森林限界に建つ西穂山荘

独標へ

重たい荷物を降ろして、長めの休憩をとったので非常に元気に出発しました。森林限界を越えたので、ハイマツの登山道は見晴らしが良くテンションも上がります。

西穂山荘からあがるとトンボが結構な数、飛んでいます。時間も早いこともあり、直射日光の割には快適に歩ける気温です。

Day2 8:55 / 西穂 丸山

西穂山荘を出て、少し行くと西穂 円山の立札に到着します。ちょっとしたピークになっていて、見晴らしが良いです。ここでご来光を見たり、夜空を見たりする人も多いんじゃないかと思います。

西穂 丸山

西穂 丸山

西穂 独標

中央の平らなところが独標

Day2 9:43 / 独標

遠くから見ても特徴的な四角くて平らなピークの独標。岩場を登ると平らなピークに多くの人が集まっていた。

小学校3年か4年の頃、家族で独標まで登って引き返したことがある。怖くて、これ以上行かないとガチギレしたらしい。写真を見ると西武ライオンズの帽子を被っているが、この山行の間に無くした。当時は秋山、石毛、清原、デストラーデ、東尾といった選手が揃っていた黄金時代でたまたま買ってもらった西武ライオンズの帽子を誇らしく思っていたのを思い出す。

最後のおにぎりを食べて、小学生の時に進めなかった独標の先に進みます。独標の裏は、険しくて本当にここ降りるの?と思いつつ取りついて、降りて行く。

独標を含めてピークまで13峰のアップダウンがあり、鎖場も多く、独標よりも先はストックはない方が良いです。

独標から。下方に移っているのが梓川と上高地。ということは上高地からも独標が見えるはず。

Day2 10:11 / ピラミッドピーク

三角形で遠くから見ると西穂の山頂と間違えるピラミッドピーク。

Day2 11:03 / 西穂高岳山頂

丸山から先はほとんどが岩場で足元を見ながら歩くことになります。天気は良くて眺めは最高ですが、基本的に見える山々はそんなに変わりません。山頂まで来るとずっと山頂に隠れていた景色がよく見えるようになります。遠くに槍ヶ岳、稜線の先にジャンダルム。ジャンダルムは有名な奥穂からの姿ではなく、形が違って、帰って調べてわかりました。ジャンダルムに繋がっているように見えるのは前穂高岳?

遠くから見ると狭く見えるピークですが、10人位までならのんびりできるスペースがあります。

これまで辿ってきた道を振り帰ると、いくつものアップダウンがよくわかります。西穂山荘の赤い屋根が小さく見えます。

この山行のピークが終わってしまうのが寂しくて、30分位その場に留まっていました。

下りの登山も結構危ない所はあります。落石しないように注意しながら降りて行きます。独標を裏から見ると結構の迫力でした。

Day2 13:53 / 西穂高山荘

始発のロープウェイに乗って14:00前に西穂山荘に帰って来れました。ロープウェイの最終は16:00だったはずなので、ロープウェイピストンなら日帰りも可能そうです。

山荘にチェックインすると部屋や設備を案内してもらいました。部屋は6畳6人部屋で荷物置き場は廊下にあります。トイレもキレイで携帯の充電するところもあるようです。

300円の細コーラ缶を買って、山荘の前庭で一息つきました。標高2000m近くあるはずですが、14:00の直射日光は暑くて長い時間居られず、日陰で座り込んでkindleで時間を潰します。

直前で購入した「三体II 黒暗森林」を読み始めました。基本的面白いんですが、人類で4人選ばれた壁面者のプロフィールだったり言動だったり、理想の女性の描写などひっかかるところもありました。

17:00の夕飯はハンバーグ。ご飯とけんちん汁とお茶はおかわり自由でした。外に出ると夕焼けが始まっていました。西穂丸山まで登って夕焼けを見る人が何人か軽装で登山道を登って行きました。西穂山荘の前庭は東側にあるので、前庭からは建物の影になって夕日が見えません。建物の裏に回るとキレイな夕日が見えます。夕日なんかずいぶん見た記憶がなかったです。

夜になると天の川がはっきり見えていた、らしいです。流れ星も10分に1回くらい見えた、らしいです
。目が悪くてよく見えませんでしたが。帰ったらメガネを新しく作ろう。

部屋に戻ると豪快ないびきをかいている人が居ましたが、耳栓をして「三体II 黒暗森林」の続きを読みました。多分、22:00頃に眠ったんじゃなかと思います。

Day3 7:00 / 西穂高山荘

5:30頃に起きると部屋には私含めて2人しかいませんでした。残りの4人はご来光を独標かどこかで見るために早く出かけたのかもしれません。今日は上高地に降りるだけなので、朝ごはんの時間も一番遅い6:00にしてもらいました。

朝ごはんを食べ、歯磨きをしたのち、水を補給しました。ここで粉ポカリを持ってくるのを忘れたことに気付きました。登山中の水分補給はポカリ系の方が好みです。

早く降りてもそんなにやる事がないので、7:00までゆっくりして上高地方面に降り始めました。

西穂山荘から降りるとすぐに樹林帯に入ります。ロープウェイの方と比べると人通りは少なかったです。途中焼岳と上高地の分岐が1つだけある他はひたすら林の中を降りていく道でした。

Day3 9:30 / 上高地